THE STORIES OF TOBI KOFUN
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2019年8月31日 鳶尾塚古墳
みんな、こんにちは。ついに太陽が出たよ!何日も激しい雨が降った後、もう天気は大丈夫みたい。
僕の住処である古墳は特に陰になっていて蒸し暑いから僕には完ぺきな居場所だけど、ここを訪れる人間にはそうじゃない。
最近地面の上で働く人をたくさん見たよ。ある人は土を掘っていて、他の人は変な物を土の中に入れていたよ。
僕は英語やイタリア語は話せないけど、彼らが何かを探しているのはわかる。
僕の住処になる前、古墳は共同体の先導者のような亡くなった偉人を葬ったものだったんだよ。
彼らはその人が残したものを調査しているのかな?
またね。
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2019年9月7日 鳶尾塚古墳
彼らは何日間も地面を掘り起こしているよ。ライトの明かりと元気な声が睡眠を妨げる。その中の一人が叫ぶ”矢だ、矢だ!”
どうやらここに長い間あった金属の物体を発見したらしい。彼らは話し合ってから、研究室でより詳しく見てみようと言った。
“けんきゅうしつ”?ケンキュウシツって何だろう?ずっと前に友達が、それはたくさんのライトと変な機械がたくさんある場所だよって言ってたっけ。
ブルルル、考えるだけで身震いする。早く日が暮れて彼らが早くいなくなってほしいな。
またね。
2019年9月10日 鳶尾塚古墳
また季節が終わろうとしていて、新しい友達が現れることにも慣れてきたよ。
彼らはここにすごく興味があって僕の前には誰がいたのかを見つけたいみたいだ。
僕はまだ幼いコウモリだから手伝えないけど、もちろん僕のお父さんやおじいさんが生きていたら、全てがもっと簡単だっただろうな。でもだんだん気になってきて、彼らの車を何日も観察してる。
彼らが夕方どこにいくか知らない。
発見した物をどこに持ってくのかな?
多分”けんきゅうしつ”と呼んでいる場所かな。
興味がどんどん湧いてきてもっと知りたい。
いつか勇気を出して彼らに着いて行ってみよう。
またね。
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2020年2月25日 鳶尾塚古墳
冬は眠たい、すごく眠たい。誰もやって来ないし、寒くて雨が降るから中にいて春が来るのを待ってる方がいい。でもね、突然日本人とヨーロッパ人の友達が到着した音が聞こえた。
驚いた!挨拶するためになまった翼を伸ばして、半分目を開けて、何を言ってるのか耳を傾ける。
彼らは僕の住処である古墳について、おかしな単語を言ってる、”土器”、”データ”、”ガラス”。僕は何もわからないけどとっても気になる。
次はいつ来るのかな?
何をするんだろう?きっとすぐだね、
冬眠から早く目覚めて準備しなきゃ。
でもお願い、あと5分だけ眠らせて。僕はお寝坊さんだから!
またね。
2020年3月6日 鳶尾塚古墳
この音は何?怖いけど気になるから外を見てみたいな。家から出て飛んだら、ぶるぶるっ、外は寒い!
それから変な鳥を見たよ!4つの翼があって、全身灰色、小さな頭と大きな目!羽はどこ?コウモリの僕みたいにたぶん羽が無い。話しかけてみたいけど、彼はブルルルルと言うだけ。なんの言葉なの?
友達に尋ねてみよう、ちょうど彼の真下にいてまるで話しかけているみたいだ。みんな彼を“ドローン”と呼んでいるけど、僕はなんの種類の鳥かまだわからないな。コウモリを食べないといいな!食べるようには見えないけどね。彼に谷を調べて僕の住処みたいな古墳を探すように頼んでいるよ。
僕に頼めば良かったのに!
僕はここにたくさんの友達がいるし、僕たちは全部の古墳を一瞬で見つけられたのに。とにかく“ドローン”はいいヤツみたいだ、もしよければ僕たち一緒に飛べるよ。もう少し減速してくれたらね!おーい、“ドローン”待ってよ。待って!
またね。


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